生活習慣病
糖尿病を防ぐ日常生活のポイント
年々患者数が増え続けている糖尿病は、過食、運動不足、肥満などを誘因として発症し、一度発症すると完全に治癒することはないといわれています。
放っておくと、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こし、また他の生活習慣病も悪化させます。糖尿病であっても、生涯元気で暮らしていくために早め早めの予防的対応が必要です。
適正体重を知ろう
肥満は糖尿病の大きな誘因となります。まず自分が適正体重なのかを判定してみましょう。 判定基準の一つが「BMI」(体格指数)です。
- ●BMI
- 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
[例] 身長160cm、体重60kg の人の場合
BMI=60kg÷1.6m÷1.6m=23.4
※指数が18.5未満は「やせ」、18.5以上25未満は「標準」、25以上は「肥満」となります。 - ●適正体重
- 身長(m)×身長(m)×22
[例] 身長160cm の人の場合
適正体重=1.6m×1.6m×22=56.3kg
※BMIが22のとき、病気になる確率が最も低いといわれています。
食べすぎ、飲みすぎに注意しよう
肥満になる原因はエネルギー消費量以上に食べてしまうことです。 あなたの活動量から、目標となる摂取エネルギー量を計算することができます。
- ●1日の目標エネルギーのめやす
- 適正体重(kg)×身体活動量(kcal)
[例] 適正体重56.3kg、軽労働の人の場合
1日の目標摂取エネルギー量=56.3kg×30kcal=1,689kcal/日
※身体活動量は下表を参考にしてください。
身体活動量(体重1kgあたりのエネルギー量のめやす) | ||
---|---|---|
軽労働 | デスクワーク中心の人や主婦 | 25 〜 30kcal |
普通の労働 | 立ち仕事や外回りの多い人 | 30 〜 35kcal |
重い労働 | 力仕事の多い人 | 35kcal以上 |
バランスよい食事を規則正しく
偏食しないで、主食と副菜と主菜のある食事を1日3食できるだけ規則正しくとりましょう。
低エネルギーでビタミンやミネラル、食物繊維を多く含む野菜や海藻をたっぷり食べましょう。
間食や食後に菓子やジュースをとると、エネルギー過剰につながります。
>>食事バランスガイドとは
適度な運動を続けよう
運動にはエネルギー消費量を増やすとともに、インスリンの働きを高め、血糖値を正常に保つ効果があります。肥満や糖尿病予防には、有酸素性運動(ウォーキングや水中歩行、水泳、サイクリングなど)が効果的です。なかでもウォーキングは忙しい人でも日常生活の中でできるだけ歩くことで、気軽に行えます。
>>ウォーキングのすすめ
年に1度は健診を
糖尿病は自覚症状に乏しく、血糖値が適正かどうかは血液検査でしかわかりません。また糖尿病の合併症を早期に発見するためには検査が欠かせません。
健康診断で血糖値に異常がみられた場合は、必ず再検査や治療を受けましょう。まだ異常値でない場合も、結果を保存して毎年の経過を把握できるようにして、症状の進行をくい止めたり合併症を予防することが大切です。
>>よかドック
糖尿病についての検査でわかること
- ・血糖値
- 空腹時の血糖値が126mg/dl以上は糖尿病が疑われます。
- ・ヘモグロビンA1c
- 過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均を反映し、糖尿病の診断にも使われます。
- ・尿蛋白
- 陽性(尿に蛋白がでている)の場合、糖尿病性腎症のおそれがあります。
- ・眼底検査
- 糖尿病性網膜症の有無を判定します。自覚症状がなくても進行していることがあります。