福岡市健康づくりサポートセンター

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糖尿病教室

糖尿病教室〜糖尿病専門医によるQ&A〜

糖尿病専門医によるQ&A

Q.健診で糖尿病を指摘され、病院を受診したら血糖値がとても高く薬が必要と言われました。薬は一度飲みだすと止められないと聞くので飲みたくありません…どうしたら良いでしょうか?
A.糖尿病治療の基本は食事・運動療法ですが、これらの生活習慣の改善をある程度行っても血糖値が適正にコントロールできない場合はやはり薬物療法が必要となります。
血糖値が高い状態を放置しておくと高血糖による“糖毒性”という現象により膵臓のベータ細胞というインスリンを出す細胞が傷害を受け、さらにインスリンが出なくなる悪循環が起こります。
これが何年も持続するとインスリン分泌低下は元に戻らなくなり、薬でも血糖コントロールが難しい状態になってしまいます。
できるだけ高血糖を放置せず適正に血糖値をコントロールすることが、将来薬を減らせたり、中止できたりする可能性に繋がるのです。また、“糖毒性”は長年持続すると様々な臓器を傷害し、糖尿病の合併症(網膜症、腎症、神経障害、動脈硬化症など)を引き起こします。
かかりつけ医の先生と相談しながら生活習慣の改善に取りくみ、必要なら薬剤を服用し適正な血糖値を維持することで、糖尿病があっても健康で元気な生活が送れるのです。
Q.食物繊維は最近話題になっている腸内細菌にも影響はありますか?
A.最近、腸内細菌と健康の関係が話題になっていますね。ヒトの大腸に生息する腸内細菌は2万種以上、総重量は1.5s、便1g当たり約1兆個いるといわれています。
ヒトの健康に大きく影響を及ぼすことから、体によい働きをする「善玉菌」と悪い働きをする「悪玉菌」、そしてどっちつかずの「日和見菌」に大別されています。「善玉菌」として「ビフィズス菌」や「乳酸菌」がよく知られていますね。食物繊維はそのほとんどが吸収されず小腸を通過し大腸に到達しますが、実は大腸にいる「善玉菌」の大事なエサになっているのです。
したがって食物繊維の摂取量が減ると、「善玉菌」が減って、主にタンパク質をエサにしている「悪玉菌」の割合が増加して、様々な生活習慣病の一因となるのではないかと考えられています。
食物繊維をしっかりとってお腹の中から健康になりましょう!
Q.糖尿病の人は、1日の中でいつ運動を行うとよいのでしょうか?
A.「いつ行うか」より「いかに継続するか」が大切です。
血糖値が、実は1日の中でも上がったり下がったり変化していることはご存知のことと思います。たとえば、軽症の2型糖尿病あるいは健診で空腹時血糖値は正常でヘモグロビンA1cだけが高めの方の多くは、食前の血糖値はそれほど高くなくても、食後の血糖値が上昇する傾向にあります。食後血糖値の上昇が気になる場合は、食後1〜2時間のタイミングで運動を行うことにより食後の血糖上昇を抑えることが期待できます。一方、食前のタイミングのほうが運動を習慣化しやすい方もおられると思います。
「継続は力なり」。血糖降下作用も運動の継続によってこそ持続します。楽しく気軽にできる運動を継続することが大切です。
※もし糖尿病に対しインスリンや内服薬(特にインスリン分泌促進薬)で治療中の場合、食前の運動は低血糖のリスクが高くなるため、インスリン量の微調整や少量の捕食をしてから運動する方法もあります。
かかりつけの先生にご相談ください。
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